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建築学会大会で発表します!「夏の結露」を防ぐ、本当に安全な屋根の仕組みを3年間追いかけた話

こんにちは!高橋建築の高橋です。

今年も、待ちに待った「日本建築学会大会」のプログラムが手元に届きました! パラパラとページをめくりながら、面白そうな発表のタイトルをチェックしているだけで……気がつけば、なんと3時間も経っていました(笑)。

聞きたいプログラムが山ほどあって、学会期間中の3日間は会場をあちこち大忙しで走り回ることになりそうです。

実は、今年の学会では私自身も研究発表をさせていただきます!

ちょっと専門的なタイトルなのですが、 「戸建て木造住宅の屋根複合断熱内の温湿度性状 その1 3年間の温湿度の実測」 というテーマで壇上に上がります。

「一体なんのこと?」と思われるかもしれないので、できるだけ分かりやすく、私たちがどんな実験をしているのかをお話しさせてください。

誰もやっていないなら、自分で測って確かめよう!

実は、当社で家を建ててくださったオーナー様にご協力いただき、4年前から、家の中のなんと「60箇所以上」にセンサーを取り付けて、温度や湿度をずーーっと実測してきました。

一言で「断熱材」と言っても、最近の高性能な家は、何種類もの断熱材や合板を重ね合わせて「サンドイッチ」のような多層構造(複合断熱)にしています。

シンプルな1種類の断熱材なら「熱や湿気がどう動くか」は簡単に予想できます。 でも、何層にも重なってくると、話は別。もしかしたら、私たちの目に見えないところで「予期せぬトラブル」が起きているかもしれない……。

もちろん、建てる前にはパソコンのシミュレーションソフトを使って、絶対に安全だという計算をしています。でも、「実際の建物で、本当に計算通りになっているの?」という疑問に対して、これまでに誰も詳しく測って証明した人がいなかったんです。

「それなら、自分で詳細にデータを取って研究してみよう!」と思い立ったのが、この実験の始まりでした。

実は怖い、近年の「夏の結露」

家を長持ちさせるための大敵は「結露」です。

一般的には「冬、外が寒くて室内のまどや壁が濡れる結露」を心配しますよね。これは計算も対策もしやすいので、今の高橋建築の技術ならバッチリ防げます。

しかし、近年とても問題視されているのが「夏の結露(逆転結露)」です。

夏の強い日差しで屋根がカンカンに熱せられ、外の湿気が家の中に押し込まれることで、断熱材の裏側などで複雑な結露が起きることがあるんです。これも「WUFI」という最先端のソフトで計算して安全を確認していますが、実態はどうなのか、少しドキドキしながらデータを追いかけました。

さらに、今回の実測ではこんな深いポイントまで検証しています。

  • 太陽光パネルの影響 屋根の上に太陽光パネルを載せると、日陰になって涼しくなるイメージがありますよね。でも、良い面ばかりではありません。屋根の木材(野地板)にとっては、実は太陽の熱でジリジリと照らされた方が「湿気が飛んで乾燥しやすい」というメリットもあるんです。パネルがあるとどう変わるのかを検証しました。
  • 通気層(空気の通り道)の影響 屋根の熱や湿気を逃がすための「空気の通り道」が、どれくらい効果を発揮しているかも重要なポイントです。
  • 室内のフィルム(シート)の選び方 これが一番実験したかった内容です!断熱材を包むシートの種類(別張りのシートがいいのか、袋入りの断熱材がいいのか、あるいはシートレスで裸の断熱材のままがいいのか)によって、湿気の防ぎ方にどんな差が出るのか、それぞれの特徴を調べました。

3年間のデータを集めてみたら…

結果から言うと、当社の建物の安全性は「全く問題なし」でした!どうぞご安心ください(笑)。

ただ、問題がなかっただけでなく、これまでの建築業界の常識を深掘りするような、もの凄く価値のある「思わぬデータ」がたくさん取れたんです。

データの分析はこれからが本番ですが、今からワクワクが止まりません。

家は、建てて終わりではありません。何十年も、ご家族を快適に、そして安全に守り続ける場所です。だからこそ、私たちは「計算上こうだから」で終わらせず、こうして泥臭く実測を続けています。

今回の貴重なデータをもとに、これからの高橋建築の家づくりをさらに進化させていきたいと思います!

ちなみに……今回の私の発表以外にも、他の大学の先生などの論文で、データ提供などの協力をさせていただいたものがいくつかあります。 今年の学会では、なんと3本の論文に私の名前が載ることになりました!これも建築士として、研究者として、本当に嬉しい限りです。

学会でたくさん刺激を受けて、またみなさんの家づくりに還元していきますね!

[→ お問い合わせ・資料請求はこちら]

15年経っても「夏涼しく、冬暖かい」。パッシブハウスの驚くべき耐久性と住み心地

性能も長持ち!

こんにちは。高橋建築株式会社の代表、高橋です。 私は一級建築士として、そして「パッシブハウス」の設計・コンサルティングを行う専門家として、日々「本当に心地よい家とは何か」を追求しています。

皆さんは、家を建てた後の「15年後」を想像したことがありますか? 一般的には「あちこちガタがくる頃」「光熱費が上がっていく時期」と思われるかもしれません。

しかし、私たちが手掛ける家は違います。

15年前の情熱が、今も「快適さ」として続いている証

先日、私が設計・施工を担当した住宅が、建材メーカーの特集記事に取り上げられました。
「森みわ」さんの指導のもと、私が初めて作ったパッシブハウスです。

▼その記事がこちらです [15年経っても変わらない性能。高橋建築の事例紹介(メーカーサイトへ)]
https://www.asahikasei-kenzai.com/akk/insulation/case-study/case01.html

この記事で紹介されている家は、実は15年前に建てられたものです。 取材に立ち会って改めて感じたのは、「パッシブハウスの基準で建てた家は、時間が経っても資産価値も住み心地も色褪せない」ということでした。

パッシブハウスデザイナーとして伝えたいこと

私は「PHI公認パッシブハウスデザイナー」および「PHIUS公認パッシブハウスコンサルタント」という、世界基準の省エネ住宅に関する資格を持っています。

なんだか難しい肩書きに見えるかもしれませんが、私がやっていることはシンプルです。

  • 魔法瓶のような断熱性能: 冬の暖房、夏の冷房を最小限にする。
  • 計算し尽くされた設計: 太陽の光をどう取り込み、どう遮るかをシミュレーションする。
  • 健康を守る空気: 24時間、常に新鮮で心地よい空気が流れる仕組みを作る。

これらを突き詰めると、15年経っても「冬に裸足で過ごせる」「結露しない」「光熱費を気にせず快適に暮らせる」家が実現します。

断熱材の性能も、徐々に悪くなります。しかし性能低下がほとんどないのが「ネオマフォーム」。
末永く安心して済んでほしい。
断熱材選び1つからこだわり抜いています。
ネオマフォームは25年経ってもほとんど性能が落ちないことがわかっています。

「100年先まで愛される家」を、ここから。

家づくりは、建てて終わりではありません。 15年、30年、そして次の世代へと住み継いでいくものです。

専門的な知見(パッシブハウスの理論)と、地元の工務店としての丁寧な手仕事を掛け合わせ、皆様に「この家に決めてよかった」と言っていただける住まいをご提案します。

「パッシブハウスって、普通の高気密高断熱と何が違うの?」 「15年後のメンテナンスはどうなるの?」

そんな疑問をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

高橋建築株式会社代表取締役 高橋 慎吾

  • 一級建築士
  • PHI公認パッシブハウスデザイナー
  • PHIUS公認パッシブハウスコンサルタント

[お問い合わせはこちらから]

【これからの家づくり】「地球にやさしい家」ってどんな家?一級建築士・パッシブハウスデザイナーの私が今、伝えたいこと。

ますます暑くなる夏!

こんにちは!高橋建築株式会社の代表、高橋 慎吾です。

私は一級建築士、そして「パッシブハウスデザイナー/コンサルタント」という、世界の省エネ住宅の基準に合わせた家づくりをする専門家として、日々皆さんの住まいを設計しています。

それにしても……今年もいよいよ暑い夏がやってきますね。 「年々、夏の暑さが厳しくなっているなぁ」と心配されている方も多いのではないでしょうか。実はこの地球温暖化、私たちの「家づくり」と切っても切れない深い関係があるのです。

今回は、これからの未来のために、私たちが今絶対に知っておくべき「家とCO2(二酸化炭素)」のお話を、できるだけ分かりやすくお伝えします!


実は日本全体の「約4割」が建物から!?CO2排出の衝撃の事実

「温暖化を止めるために、CO2(二酸化炭素)を減らそう!」とよく言われますよね。 車を控えて電車に乗る、エコバッグを使うなど、普段から意識されている方も多いと思います。

しかし、驚かないでください。 実は、日本国内で排出されるCO2の、なんと「41.9%」が建物に原因があるのです。

このグラフを見ていただくと分かる通り、約4割が住宅やオフィス、商業施設などの「建物」から出ています。内訳は以下のようになっています。

  • 建物を使うとき(生活しているときなど):31.6%
  • 建物をつくるとき:9.9%
  • 建物を解体・廃棄するとき:0.4%

私たちが毎日暮らす家は、決して例外ではありません。だからこそ、家を建てる私たち「工務店」やハウスメーカーは、地球の未来に対してとても大きな責任がある仕事をしていると痛感しています。

出所:「建築物のライフサイクルカーボン削減に向けた制度の在り方について(中間とりまとめ)」

「環境にやさしい暮らし」と「実際の家」の矛盾

私たちがつくる「パッシブハウス」のように、生活するときの冷暖房や電気のエネルギーを極限まで減らせる省エネ住宅は、これからの時代、ますます重要になっていきます。

子どものたちの未来や、これからの地球環境を考えると、一人ひとりが普段の行動に責任を持つことが大切です。

しかし、世の中の様子を見ていると、ふと思うことがあります。 普段どんなに「環境のためにエコな生活を」と意識して暮らしていても、住んでいる家そのものがエネルギーを大量に消費する構造だったら、その努力の多くが相殺されてしまいます。

「環境、環境と言っているけれど、あなたの家は? その生活は、全体から見たら矛盾していませんか?」

少し厳しい言葉に聞こえるかもしれませんが、それくらい「どんな家を建てるか」は、地球環境にとってインパクトが大きいことなのです。


「つくる時・壊す時」のCO2も減らしたい!国もついに動き出しました

生活するときのエネルギー(31.6%)が一番大きいのは事実ですが、家を「つくる時」と「壊す時」を合わせても10.3%ものCO2が出ています。

「できることなら、ここも削減していきたい!」

そんな中、国土交通省もようやく重い腰を上げ、建物をつくる時のCO2排出量を計算できるプロジェクト「J-CAT」を立ち上げました。住宅版の指標ができたのは、実はつい1週間ほど前のできたてほやほやです!

2年後の2028年からは、このCO2排出量の表示制度が始まる予定ですが、一般の戸建て住宅まで義務化されるのは、まだかなり先になりそうです。

しかし先日、この制度のレクチャーをしてくださった三井所先生から、こんなお話をいただきました。 「高橋さんたちのような、ベンチマーク(お手本)となる工務店から、まずは先陣を切って取り組んでほしい」

一緒に学んだJBN環境委員会のコアメンバーとも話し合い、「我々が率先して取り組まないと、日本の家づくりは前に進まない。よし、やろう!」と決意しました。


300項目以上の膨大な計算。見えてきた「木造住宅」の強み

家は、本当にたくさんの資材で構成されています。 実際の事例を見ると、計算に必要な入力項目は300以上!これらを1つ1つ数量を拾い出し、それぞれの資材のCO2排出量を当てはめていくという、気が遠くなるような膨大な労力がかかります。

ただ、私たちのような工務店の場合、建物の基本構造は統一されているため、1棟目を詳細に計算すれば、あとはそれぞれの家ごとの特徴(間取りや仕様の違い)を検討していくことで効率よく算定ができそうです。

こうした入力と計算を経て、以下のような算定結果のグラフを出すことができます。

このデータを読み解いていくと、やはりコンクリートや金属は、製造時のCO2排出量が圧倒的に多いことが分かってきました。先生も「ハウスメーカーの中には、今後の基準クリアがかなり厳しくなるところも出てくるのではないか」と危惧されていました。

その点、日本の伝統でもある木造住宅は、CO2削減の面で相当有利です。木は育つ過程でCO2を吸って蓄えてくれる性質もあるからです。


大切なのは「バランス」。長持ちして愛される家づくりを

コンクリートのCO2排出量が多いからといって、「じゃあ、基礎のコンクリートを減らして布基礎にしよう!」とするのはナンセンスです。

家づくりにおいて何よりも大前提なのは、「安全で、長持ちすること」。 万が一の地震に耐えられなかったり、数十年でダメになって建て替えたりすることこそ、最大のエネルギーの無駄遣いであり、CO2の排出につながるからです。

また、「CO2排出量が少ないから」という理由だけで、目が飛び出るほど高価な素材を選ぶことも、お客様の負担を考えれば現実的ではありません。

  1. 構造強度(安全性)の確保
  2. 耐久性(長持ち)の確保
  3. コストバランス

この3つの大原則に、これからは「CO2排出量の少なさ」という視点をプラスして、トータルで判断していくことが、私たちプロの役割です。

正しい判断をするために、私も各素材がどれくらいCO2を出すのか(原単位)を徹底的に勉強しています。中には、自分のこれまでのイメージと全く違うものもあり、驚きの連続です。

デザインが良いのは当たり前。これからは「同じ強さ、同じコスト、同じ効果なら、よりCO2排出量が少ないものを選択する」。そんな誠実な家づくりを、高橋建築はこれからも心がけていきます。

皆さんも、大切なご家族の将来、そして地球の未来のために、一歩先を行く家づくりを一緒に考えてみませんか?


高橋建築株式会社 代表取締役 高橋 慎吾 (一級建築士 / PHI公認パッシブハウスデザイナー / PHIUS公認パッシブハウスコンサルタント)

【日本の家づくりの最先端!】我が家が「未来の住宅」の基準になる?HEAT20の調査に協力しています


こんにちは!高橋建築株式会社の代表、高橋 慎吾です。
皆さんは「HEAT20(ヒートにじゅう)」という言葉を聞いたことはありますか? 建築業界ではとても有名な団体なのですが、一般の方なら「G2(ジーツー)」や「G3(ジースリー)」といった、『国の基準を超える、ものすごく断熱性能が高い家』の水準を作ったところ、と言えばピンとくるかもしれません。
日本の住宅の「冬寒く、夏暑い」をなくすために、最先端の occupant(居住環境)を研究している、まさに日本の家づくりを引っ張っているトップランナーの団体です。
実は、私たち高橋建築もそのメンバーの一員。今回は、そのHEAT20で行っているワクワクするような取り組みについてお話しします!

日本全国で選ばれるのは「一握りの家」だけ
HEAT20では、研究者の先生やハウスメーカー、建材メーカー、そして私たちのような地元の工務店が集まって、日々さまざまな研究をしています。
その中に「検証部会」というグループがあり、ここでは「断熱性能の違いで、実際の暮らしにどんな変化が起きるのか?」をリアルに調査しています。
地域(気候)の違いでどう変わる?
窓の付け方や、間取りの違いは?
家族構成によって室温はどう変化する?
これらを調べるために、毎年日本全国から「20〜30軒」の住宅だけを選び、実際に性能を測る調査を行っているんです。
全国に何万とある家の中から選ばれるわけですから、そのハードルは超一級品。そしてありがたいことに、「高橋建築の家は日本トップクラスの性能だから」と、ずっと以前からこの調査にお声がけいただき、お手伝いをしています!
これまでに秩父はもちろん、熊谷や本庄方面など、たくさんのOB様宅で実測データを重ねてきました。

データを取って、改善して、また進化する
私たちが提供したデータをもとに、日本の「これからの家づくりの基準」が話し合われていきます。
つまり、私たちの建てる家は「日本の家づくりの未来の指標」になるということ。だからこそ、私たちは常に最先端を走り続け、挑戦を止めてはいけないなと身が引き締まる思いです。
最先端の設計をして、家を建てる
実際に温度や湿度を「測定」する
データをHEAT20に提供し、研究者の意見をもらい、議論する。
気づいた改善点を、次の家づくりに活かす
この最高のサイクル(PDCA)を回しているからこそ、高橋建築の家は建てるたびに進化しているんです。

【実測データ公開】猛暑の上里町で、エアコン1台の驚きの結果
「じゃあ、実際どれくらいすごいの?」気になりますよね。 これからの季節「夏」を迎えるにあたって、熊谷の少し北部に位置する上里町で行った、ある平屋のリアルな実測データ(8月18日〜9月1日)をご紹介します。


グラフを見ていただくとわかる通り、外の気温は毎日のように35℃オーバー。中には39℃という、とんでもない酷暑の日もあります。
ですが、お家の中を見てみてください。 室温は26℃前後、湿度は50%くらいをずっとキープしています。
しかもこれ、エアコンはたったの1台しか動かしていません! お家の大きさは、延床38坪+ロフト4.5坪という、かなり大きめの「平屋」です。
平屋は屋根の面積が広いため、どうしても太陽の熱(日射熱)をまともに受けやすくなります。さらにこのお家は、冬に暖房がいらなくなるくらい太陽の光を取り込めるよう、南側に大きな窓を配置しています。「夏は暑くなっちゃうのでは?」と心配になりますよね。
それでも、しっかりとした遮熱と断熱の設計をしていれば、エアコン1台でこれだけの快適さを保てるのです。

私たちのノウハウが、これからの日本の家を変えていく
検証部会で実際に測ってもらい、改善点を見出して、それを次の家づくりに役立てる。 そして、その貴重な知見は、日本全国の工務店へとフィードバックされ、日本の家全体のレベルアップに繋がっていきます。
本音を言えば、自社の苦労して得たノウハウをあまりオープンにさらけ出したくはない気持ちもちょっとだけあります(笑)。ですが、日本の家を良くするため、そして何より私たちを信じて選んでくださるお客様に「最高の快適」をお届けするため、これからも検証部会の重要メンバーとして、全力で協力していきたいと思います!
「これからの時代、本当に快適な家ってどういうもの?」と気になった方は、ぜひお気軽にお問い合わせくださいね。

その要望、本当に必要ですか? 間取りに「便利」を押し込む前に考えてほしいこと

こんにちは。高橋建築の高橋です。

私たち一級建築士は、お客様との最初のヒアリングを元に、プロとしての経験を総動員して「これこそがベスト」と信じるプランを最初にご提案します。

ですが、打ち合わせを重ねるたびに、少しずつその形が崩れていってしまうことがあります。 「SNSで見たこの動線を入れたい」「ここにも収納がほしい」「このスペースにこれを詰め込みたい」……。

もちろん、一つひとつのご要望は「便利になりそう」という善意からくるものです。しかし、それらを無理やり間取りに押し込んでいくことで、実は一番大切だったはずの「豊かな住み心地」が、どこかへ追いやられてしまうことがあるのです。

今日は、間取りづくりで迷子にならないために、大切にしてほしい視点についてお話しします。

「便利なパーツ」の寄せ集めは、いい家か?

最近よく耳にする「玄関からパントリー、そしてキッチンへ」というような裏動線。 確かに効率的かもしれません。でも、少し立ち止まって考えてみてください。

「家に帰ってきて、まず真っ先に収納に行きたいですか?」 「毎日、それほど大量の買い出しをしますか?」

限られた敷地、限られた床面積の中に、たくさんの用途を無理に詰め込もうとすると、家の中の「ゆとり」が真っ先に削られていきます。

通路ばかりが増え、壁が迫り、結果として当初の目的だった「開放感」や「家族の団らん」が蔑ろになってしまう。最初から破綻しそうなほど詰め込まれた間取り図を見ると、「本当にこれが使い良いのだろうか?」と、プロとして危惧することもあります。

構造のシンプルさは、家族への優しさ

私はできるだけ、「スマートな可変性のある間取り」を提案したいと考えています。

あえて作り込みすぎず、構造的にシンプルな力の流れを作る。 実はそのほうが建物として強く、将来、家族の形が変わったときにも柔軟に対応できるからです。

「今」の利便性を100点にするために壁や柱を複雑にするよりも、20年後、30年後も心地よく住み続けられる「ゆとり」を残しておくこと。部分的な便利さを手に入れる代わりに、住み心地や空間の見え方といった「大きな価値」を失ってほしくない。それが、建築士としての私のこだわりでもあります。

トイレの位置ひとつにも、正解はない

例えば、トイレの場所。 「寝室の近くがいい」「玄関の近くがいい」「リビングから離したい」……正解は人それぞれです。

どこに置いてもメリットとデメリットは必ずあります。大切なのは「流行りの間取り」をなぞることではなく、「自分たちはどう暮らしたいか」という一点に立ち返ることです。

リビングに明るい大きな窓をつけたいという願いも同じです。視線や音、日射の問題を置き去りにして、「便利だから」「流行っているから」と要素を足し算しすぎて、家全体の見え方や、窓から入る光の心地よさを損なってしまっては、本末転倒だと思うのです。

「効率よく生きるため」だけに、家を建てるのではないはず

家づくりは、効率化のパズルではありません。

家事を1分短縮することよりも、リビングでふっと息をついたときに感じる開放感や、家族が自然と集まりたくなるような空気感。そんな「数字や動線では図れない豊かさ」こそが、暮らしの質を決めるのではないでしょうか。

私たちは、あなたの「一番大切な思い」を反映させた間取りを作りたいと願っています。 細かな要望をパズルのように押し込んで、大切な空間を窮屈にしてしまう前に。一度深呼吸して、思い描いていた「豊かな暮らし」を思い出してみてください。

その答えを一緒に形にしていくことが、私たちの何よりの喜びです。


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高橋建築株式会社代表取締役 高橋 慎吾 (一級建築士 / PHI公認パッシブハウスデザイナー / PHIUS公認パッシブハウスコンサルタント)

【能登半島地震の調査結果から考える】「耐震等級3」が家族の命と住まいを守る理由

安全な家造りを!

こんにちは!高橋建築株式会社の代表、高橋 慎吾です。

一級建築士として、またパッシブハウスデザイナーとして、日頃から「快適で、何より安全な家づくり」を追求しています。

今日は、これから家を建てる方にぜひ知っておいていただきたい「地震と住まいの性能」に関する大切なお話です。先日、国土交通省から「令和6年能登半島地震」における建物の被害分析について、非常に重要なデータが発表されました。

2000年以降の家でも「3割」に被害が?

まずは、こちらのグラフをご覧ください。

この調査は、特に被害の大きかった石川県輪島市や珠洲市などで行われたものです。 注目すべきは、現在の建築基準(2000年基準)を満たして建てられた比較的新しい木造住宅でも、約3割以上が何らかの被害を受けているという点です。

出典:新建ハウジングhttps://www.s-housing.jp/archives/406525

「新しい家だから大丈夫」と思っていた方にとっては、少しショッキングな数字かもしれません。中には倒壊や大破してしまったケースも報告されています。

「耐震等級3」の圧倒的な安心感

しかし、その一方で明るい兆しも見えています。 グラフの右側、「耐震等級2以上」や「長期優良住宅」の認定を受けている住宅に注目してください。

なんと、9割以上が無被害でした! さらに、倒壊や大破といった大きな被害は一棟も確認されていません。

出典:新建ハウジングhttps://www.s-housing.jp/archives/406525

この結果からも、国が定めた基準(耐震等級1)をクリアするだけでなく、さらに一歩進んだ性能を確保することが、どれほど地震被害の軽減に直結するかが分かります。

高橋建築が「耐震等級3」を基本にする理由

私たち高橋建築では、お客様の大切な資産と命を守るため、「耐震等級3(最高等級)」での設計を基本としています。

今回の調査結果を見ても、耐震等級を高く設定しておくことは、単なる数字の問題ではなく、地震が起きた後も「そのまま住み続けられるかどうか」の大きな分かれ道になるのです。

「インスタ映え」と「構造の安全」の両立について

最近、お客様から「インスタで見つけたこの間取りにしたい!」というご相談をよくいただきます。開放感のある大きな吹き抜けや、仕切りのない広いリビングなど、どれも素敵ですよね。

ただ、ここで一つ、建築士としてお伝えしたいことがあります。 SNSで見かける魅力的な間取りの中には、残念ながら「構造(強さ)」を無視してしまっているケースも少なくありません。

柱を抜きたい、壁を減らしたい……。 そのご要望をそのまま形にしてしまうと、せっかくの「耐震等級3」が維持できなくなってしまうことがあるのです。

家づくりにおいて、デザイン(間取り)と構造(強さ)は、車の両輪のようなもの。 どちらかが欠けてもいけません。

私たちは、お客様が理想とする「憧れの暮らし」を大切にしながらも、プロとして「地震に負けない骨組み」を責任を持ってご提案します。

「この間取りだと地震の時は大丈夫かな?」 そんな不安があれば、ぜひお気軽にご相談ください。 デザインも、暖かさも、そして何より「強さ」も。すべてを叶える家づくりを一緒に考えていきましょう!


高橋建築株式会社 代表取締役 高橋 慎吾 (一級建築士 / PHI公認パッシブハウスデザイナー / PHIUS公認パッシブハウスコンサルタント)

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