こんにちは!高橋建築の高橋です。
今年も、待ちに待った「日本建築学会大会」のプログラムが手元に届きました! パラパラとページをめくりながら、面白そうな発表のタイトルをチェックしているだけで……気がつけば、なんと3時間も経っていました(笑)。
聞きたいプログラムが山ほどあって、学会期間中の3日間は会場をあちこち大忙しで走り回ることになりそうです。
実は、今年の学会では私自身も研究発表をさせていただきます!
ちょっと専門的なタイトルなのですが、 「戸建て木造住宅の屋根複合断熱内の温湿度性状 その1 3年間の温湿度の実測」 というテーマで壇上に上がります。

「一体なんのこと?」と思われるかもしれないので、できるだけ分かりやすく、私たちがどんな実験をしているのかをお話しさせてください。
誰もやっていないなら、自分で測って確かめよう!
実は、当社で家を建ててくださったオーナー様にご協力いただき、4年前から、家の中のなんと「60箇所以上」にセンサーを取り付けて、温度や湿度をずーーっと実測してきました。
一言で「断熱材」と言っても、最近の高性能な家は、何種類もの断熱材や合板を重ね合わせて「サンドイッチ」のような多層構造(複合断熱)にしています。
シンプルな1種類の断熱材なら「熱や湿気がどう動くか」は簡単に予想できます。 でも、何層にも重なってくると、話は別。もしかしたら、私たちの目に見えないところで「予期せぬトラブル」が起きているかもしれない……。
もちろん、建てる前にはパソコンのシミュレーションソフトを使って、絶対に安全だという計算をしています。でも、「実際の建物で、本当に計算通りになっているの?」という疑問に対して、これまでに誰も詳しく測って証明した人がいなかったんです。
「それなら、自分で詳細にデータを取って研究してみよう!」と思い立ったのが、この実験の始まりでした。
実は怖い、近年の「夏の結露」
家を長持ちさせるための大敵は「結露」です。
一般的には「冬、外が寒くて室内のまどや壁が濡れる結露」を心配しますよね。これは計算も対策もしやすいので、今の高橋建築の技術ならバッチリ防げます。
しかし、近年とても問題視されているのが「夏の結露(逆転結露)」です。
夏の強い日差しで屋根がカンカンに熱せられ、外の湿気が家の中に押し込まれることで、断熱材の裏側などで複雑な結露が起きることがあるんです。これも「WUFI」という最先端のソフトで計算して安全を確認していますが、実態はどうなのか、少しドキドキしながらデータを追いかけました。
さらに、今回の実測ではこんな深いポイントまで検証しています。
- 太陽光パネルの影響 屋根の上に太陽光パネルを載せると、日陰になって涼しくなるイメージがありますよね。でも、良い面ばかりではありません。屋根の木材(野地板)にとっては、実は太陽の熱でジリジリと照らされた方が「湿気が飛んで乾燥しやすい」というメリットもあるんです。パネルがあるとどう変わるのかを検証しました。
- 通気層(空気の通り道)の影響 屋根の熱や湿気を逃がすための「空気の通り道」が、どれくらい効果を発揮しているかも重要なポイントです。
- 室内のフィルム(シート)の選び方 これが一番実験したかった内容です!断熱材を包むシートの種類(別張りのシートがいいのか、袋入りの断熱材がいいのか、あるいはシートレスで裸の断熱材のままがいいのか)によって、湿気の防ぎ方にどんな差が出るのか、それぞれの特徴を調べました。
3年間のデータを集めてみたら…

結果から言うと、当社の建物の安全性は「全く問題なし」でした!どうぞご安心ください(笑)。
ただ、問題がなかっただけでなく、これまでの建築業界の常識を深掘りするような、もの凄く価値のある「思わぬデータ」がたくさん取れたんです。
データの分析はこれからが本番ですが、今からワクワクが止まりません。
家は、建てて終わりではありません。何十年も、ご家族を快適に、そして安全に守り続ける場所です。だからこそ、私たちは「計算上こうだから」で終わらせず、こうして泥臭く実測を続けています。
今回の貴重なデータをもとに、これからの高橋建築の家づくりをさらに進化させていきたいと思います!
ちなみに……今回の私の発表以外にも、他の大学の先生などの論文で、データ提供などの協力をさせていただいたものがいくつかあります。 今年の学会では、なんと3本の論文に私の名前が載ることになりました!これも建築士として、研究者として、本当に嬉しい限りです。
学会でたくさん刺激を受けて、またみなさんの家づくりに還元していきますね!

































