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住友林業の家は暖かい?断熱調査6 外皮性能

住友林業の家の絞殺をする前におさらいです。

現在のH28基準では 断熱量を外皮平均熱貫流で評価します。
いわゆるUA値です。

建築省エネ機構

簡単に言うと 壁や床、屋根 、天井、基礎、窓の断熱量の平均値です。

日本を8つの地域に分けて基準を決める

この断熱基準では日本を8つの地域に分けています。

IBECホームページから引用

5地域から7地域までは UA=0.87W/㎡kです。オレンジ色からピンクまでですね。範囲がとても広いです。
とても同じ気候とは思えません。秩父のように朝の最低気温がマイナス10度近くになるところから、霜も降りない。氷も張らない。プロ野球のキャンプをするような暖かい地域まで同じです。
当てにならないのが分かりますね。

これは暖房度日という指標を元に決められたものなのでかなり大雑把なのです。冬の暖房期間すべての日を暖房目標温度と一日の平均気温の差で積算します。

海沿いは温度が安定しているので良いのですが、内陸のように朝と日中の温度差が大きい地域では、影響が全く異なりますので、実際におうちを作る時には注意が必要ですね。私は気象庁のデーターを調べ最低気温平均に応じて地域を選べ直した方が良いと考えています。

秩父市は青森市よりも朝が寒い!

地域区分が当てにならないのを分かっていただくために参考に秩父市と青森の温度データーを記載します。


昨年の1月の最低気温平均です。秩父がマイナス4.0℃ 青森市がマイナス3.1℃ですね。秩父の寒さは一部の北東北より寒いのです。

埼玉県ですと鳩山近辺も寒いです。

昨年は秩父よりも朝、寒かったようですね。

このように地域によって様々です。
朝寒いのを我慢できれば良いのですが、朝起きた時にストレス無い生活をしたいなら朝の冷え込みをターゲットに家づくりをした方が良いですね。

住友林業の家の外皮平均熱貫流率は?

今回の住宅の計算書を見ますと外皮平均熱貫流率は0.47W/㎡kと記載されています。5地域の国の基準は0.87です。国の基準を満たしていますので等級4で最高性能ということになります。サッシを標準から変えて良かったです。
皆さんは国の基準は最低基準だとご存じでしょうからあえて国の基準についてのお話はいたしません。
この基準をクリアーしていることを自慢げに最高基準を満たしているので高気密高断熱だとハウスメーカーが言っていたとしたらとても残念です。
この基準は20年も前に作られた基準が元になっているからです。

実際にカタログなどで東北地域レベルの断熱性能などと書いてあったりしますが、そもそも、様々な理由でそれではあまり暖かくならないのです。

HEAT20のグレード

国の基準があまりにもお粗末なので、別に推奨水準を定めようという団体があります。HEAT20という団体です。


http://www.heat20.jp/

現在ではきちんと断熱をしている住宅会社は、国の基準はほぼ無視して、この基準で判断されることが多くなっています。

HEAT20ホームページから引用

5地域 G1グレードで0.48 G2グレードで0.34です。

この家はG1グレードは満たしていることになりますね。この点ではまあまあと言っても良いと思います。サッシが標準だとG1にはならなかったともいます。

G1グレードのシナリオはどういうものなのでしょう。

G1グレードはどういう基準?

G1グレードはモデルプランにおいてこのような内容で決められています。

エアコンはLDKで14時間 寝室で3時間 子供室で3時間つけます。
ずいぶん長いですね。夜寝ている時は消してまた朝つけます。

そしてお部屋の体感温度(輻射面温度なども考慮した温度)が15℃以下に20%位はなってしまう。たまには15度以下になるけどまあまあ15度以上だと言うことですね。
簡単に言うと朝15度以下になる日がたまにあるということです。

これだけエアコンつけるのだからそれほど断熱性能が良いといえませんね。

下の段の表では10度以下にはならないレベルと書いてあります。
それまでに寒い家にお住まいでしたら「新しい家は暖かいね。」ということになりますが、それほどでも無いですね。

このレベルでは吹き抜けは危険。光熱費もかかる。

実は 20年前に建てた私の家がこのレベルなのです。
ですから住み心地などが大体分かります。

このレベルですと 吹き抜けは危険です。
気密性能がとれていても断熱レベルが低いため温度ムラがかなりできてしまいます。私の家ではシーリングファンを回しっぱなしにしないと上下温度差がかなりつきます。現在の高断熱の家ではほとんど温度差はつきません。


このG1のシナリオで暖房時間13時間と書いてありましたがそれほどでは無いにしても 相当エアコンもつけますから、暖房費もまあまあかかってしまいます。
部分完結暖房のシナリオですから吹き抜けは想定されていません。
今回の調査のおうちは吹き抜けはありませんので良かったですが、階段室を通って2階に浴室脱衣室という間取りなのでやはり少し多めに暖房は必要になるでしょう。

20年前に建てた今回調査の家と同レベルの私の家で、なんとか今建てている超高断熱のおうちのように暖かい生活をしようとエアコンつけっぱなしの連続運転をしてみると電気代もとてもかかります。1月に1ヶ月間エアコンをつけっぱなしにしてみました。
518kWhです。26円・kWh出計算してみると 暖房だけでなんと13312円 かなりかかっています。
さすがにこれだけ暖房すれば脱衣室でもトイレでも24時間寒くは無いです。

しかし暖房費以外にも決定的な差があります。

住み心地が違う。その違いは表面温度

断熱性があまり良くないおうちは、エアコンをつけっぱなしで頑張れば温度だけは、超高断熱のおうちと同じように室温を20℃くらいに維持できます。
しかし、決定的な差があります。
それは表面温度の違いです。
暖かい家ではどこでも表面温度が同じで優しく包まれている感じの暖かさなのですが、断熱性の低いおうちでは表面の温度を補うために少し暖かめにしないと暖かいと感じないことが多くそういう感じがしないのかもしれません。

室温と同じくらいに表面温度がなっていると快適だと感じますね。

温度ムラが無く室温と同じくらいに表面温度が維持できるのは 私の経験上G2レベルくらいが必要と考えています。

まとめ

このレベルでも基準はクリアーしていますので高断熱というのは嘘ではありません。

しかし、お客様は暖かく住み心地の良い家を希望したとのことです。

ハウスメーカーさんは自信を持って「十分暖かい。」と説明したとのことです。

このお客様はたくさん勉強している方なので、もちろんUA値などのことは理解していて、現在ではUAが0.3位の家があるのも知ってらしたそうです。

それでも、これほど大きなハウスメーカーが自信を持って「この仕様はすごいから十分に暖かいから大丈夫。」と言ったのを信じてしまったとのこと。

本当の暖かい家を求めていたのにちょっと気の毒です。

私の私見ではありますが G2レベルをクリアーしていれば、パッシブハウスレベルまで行かなくとも暖かさの体感はとても良いと思います。もちろんパッシブハウスレベルの方が良いのは当たり前ですが。

これから建てる皆さんは是非G2レベルをまずは目指してください。